IBは、インターナショナルバカロレア機構が提供している国際的教育プログラムです。
2020年現在、158カ国の5284校で、IBプログラムは世界中の生徒たちに提供されている程、国際的に需要のあるプログラムとなっています。(IB公式ウェブサイト)
IBプログラムは、PYP、MYP、DPと分れています。生徒は年齢によって受講するプログラムが変わってきます。
PYPは所謂初等教育のことで、3歳から12歳までの生徒が対象です。PYPでは、言語、社会、算数、アート、理科と体育が提供されます。
MYPは所謂初等教育のことで、11歳から16歳までの生徒が対象です。
5年間のMYP課程では、2言語の学習、社会、理科、数学、アート、体育、技術の8つの分野の教育が提供されます。
そして、MYPではPP(Personal Project:自由研究)SA (Service as Action:課外活動)そして、eAssessment(パソコン上で行われるMYP修了課程テスト)を8分野の教科に加えて提供されます。
MYP課程を修了した生徒は、その次のDP(Diploma Programme)に進む基礎的な準備段階が完了したと考えられます。
DPはディプロマ取得プログラムという、16歳から19歳までの生徒に2年間提供されるIBの最終プログラムです。IBDPプログラムを履修している学生は、6つの分野を複数の選択肢の中から自分で選択し、その分野で最終学年の終わりにあるディプロマテストを受験することになります。最終試験のディプロマテストで合格点(6教科合計24点)をとれば、国際的に認知されている国際バカロレア資格を取得することができます。
これらの6つのグループの内、3、4教科をHL(Higher Level)と呼ばれる上級レベル、そのほかの3、4教科をSL(Standard level)と呼ばれる標準レベルとして生徒は選択して履修します。
そして、6教科の学習に加えて、DPの生徒はTOK(Theory of Knowledge: (Theory of Knowledge: 知識の理論)、EE (Extendend Essay:課外選択式論文)、CAS (Creativity, Action and Service:創造Action and Service:創造、活動、奉仕を基盤にした課外活動)を必修として履修しなければなりません。
について説明していきます。
IB生は、MYPが終わると、IB certificateとIB DPの二つの選択肢の中から選ぶ事になります。
世界のIB修了生のほとんどは、IBディプロマをDPを通して取得しています。
そもそも、IB certificate と IB DPはどの様に違うのでしょうか?ここでは、
IB DP、つまり国際バカロレアのディプロマ(国際大学入学資格)は、学生がIBが提供する教育を修了し、IB認可の世界中の大学に入学するだけの実力が持っている事を証明する資格です。ディプロマを取得する事を目的とするプログラム(DP)では、6教科を選択し合格する事、更にTOK,EE,CASのコアを全て合格する事が求められます。どれか一つを落とすと、ディプロマを取得することはできません。
IB certificateは、IBが提供する教育を修了したと言う証明書です。しかし、最終試験に通ったと言う証明はされますが、ディプロマの取得はできません。しかし、2年間のDPと比較し、選択科目数に制限はありません(どうやら最低教科数も最高もなさそう)。更に、TOK、EEを修了する必要もありませんし、CASもCertificateを取る上で必須ではありません。IBDPと比較すれば、学生が2年間に受け続けるプレッシャーやストレスは段違いで軽減されます。
では、なぜIB certificateを取らない人がほとんどなのでしょうか?IBディプロマは、IBcertificateよりも必要条件がはるかに厳しいです。その為、世界の大学も、より厳しい審査を生き残ったIBディプロマを生き残ったディプロマ取得者をCertificate取得者よりも入学審査で優遇する傾向があります。
実際、有名な海外大学のIB Requirements(IBの最終総合点数や教科別点数の入学要項)を見ますと、ほとんどの大学は生徒がIBディプロマを取得している事を前提に「IBディプロマ最終成績35点以上」や「IBディプロマ最終成績32点以上、数学6点以上」などの要項を掲示しています。
もし、世界の海外大学を目指している方の中で、有名な大学に確実に進学できるようにしたい方はIBDPを選択する方が無難でしょう。
また、管理者である私もIB DP取得者なのですが、確かにIB ディプロマを持っているとも入学を申し込める大学や学部の幅がとても広がります。まだはっきりどの大学にするかまでは決まっていない方や、将来のビジョンは詳細まで決まっていないけれど、海外のどこかに行きたい、などの夢がある方はIBディプロマを取得する方が、後に自分に有利に働くでしょう。
ここまで読めば、IB certificateでは大学に入れないの?と疑問や不安を持つ方もいるかもしれませんが、IB Certificate取得者の中には、IBディプロマなしで日本の国立大学に進学した日本人学生もいます。ディプロマ取得者と比較すれば確かに進学できる大学の幅は狭まりますが、不可能ではありません。IB certificateで入学出来る大学もあります。
また、IB DPよりも他の資格の取得を優先している大学もあります。有名な例で言えば、アメリカの大学ですね。アメリカでは、ヨーロッパで主に受け入れられているIBをもちろん認可はしている大学は多いのですが、アメリカで勢力が強い入学資格テストは、IBよりもSATです。また、日本の大学ではまだそこまでIBが浸透している訳ではなく、IBに加えて小論文や面接が必要な大学が数多くあります。
この様な大学では、IB以外の項目を重視するので、アメリカやその他、IBより他の資格を重視している大学を目指そうとしている方は、IBの勉強の負担を減らしてSATや英語力テスト、小論文など、その大学の求めているものを磨くことに集中するチョイスもあるでしょう。